「のり面と環境」にミラクルソル工法掲載

(社)全国特定法面保護協会発行による「法面と環境」2004,No.22の[リサイクル型緑化技術―その2]に当協会理事長原 裕執筆による“発泡廃ガラス材を用いた新機能性斜面緑化工法―岩盤斜面とモルタル吹き付け斜面への適用―“として、ミラクルソル工法の環境緑化工法から、ミラクルボール緑化工法とミラクルボードソイルストップ工法との併用による岩盤とモルタル斜面の緑化工法が紹介された。


要 旨:

 山間部に道路や工業団地等の造成地、また、砕石場跡地や建設用盛土材採取跡地等の斜面は、土砂・礫質土や岩盤である場合がほとんどで、特に岩盤斜面の緑化再生から自然への回復が建設工事の大きな課題となっている。
 今回発表するモルタル吹き付け面の斜面緑化の実証試験は砂岩の岩盤斜面で緑化再生に成功した事例とモルタル吹き付け斜面に応用した試験事例である。
 廃棄物の再資源化・再利用を目的として、建設廃材として排出される板ガラスや、容器包装の空ビン等のガラス廃材を原料として再資源化した新素材の内部が、多孔質連続間隙構造を持つために吸水・保水性に優れた発泡廃ガラス材を開発している。
 岩盤斜面ではすでに実績があるが、モルタル斜面を緑化する場合、植物生育基盤材に10%混合したものと、発泡廃ガラス材をセメントの板に埋め込んだボードをモルタル吹き付け斜面に千鳥状に設置し、保水材として植物への水分供給源としてモルタル吹き付け斜面の緑化再生に有効利用した。
 斜面勾配がG=0.3〜0.5の岩盤斜面やモルタル吹き付け斜面で、植物生育基盤材を吹き付けた後、地下水や雨水によるすべりや剥離を抑止するストッパーの役目と植物の生育に必要とされる基盤内の間隙を保持し、保水することができる。このことは、草本・木本類の植物の生育を助長し、良好な根系の発育が期待でき長期にわたり保水性に富む斜面が緑化形成される。
 したがって、岩盤やモルタル吹き付け斜面の自然への回復は、生態系の回復と騒音の低減やCO2の削減等に効果があり、しのびよる地球温暖化対策と最終処分場の延命策につながり、廃棄物の有効利用に貢献できる工法である。