平成23年度第16回 「ミラクルソル工法・ジオファイバー工法」
技術研修会及び現場見学会

 平成23年8月10日(水)、第16回「ミラクルソル工法・ジオファイバー工法」技術研修会及び現場見学会を、ミラクルソル協会及び佐賀県ジオファイバー協会の主催で開催した。出席者は佐賀県内の建設会社、コンサルタント、またミラクルソル協会会員及び佐賀県ジオファイバー協会会員、約180名が出席した。
 ミラクルソル協会理事長の原 裕(佐賀県ジオファイバー協会会長)が挨拶を行い、「今回は、ミラクルソル協会と佐賀県ジオファイバー協会との合同で技術研修会を行うことができた。どちらも環境負荷低減工法であり、両工法のマッチングもされている。今後もこのような技術研修会を設けて、地球温暖化緩和に貢献できる工法の情報発信を行っていきたい」と述べた。

【場所】
技術研修会: 佐賀県武雄市北方公民館文化ホール
現場見学会: 佐賀県武雄市北方町大字大崎地内(新産業集積エリア開発事業宮裾地区法面工事)

【研修内容】
1.「ジオファイバー工法説明及び施工事例」
講師:日特建設(株)九州支店 技術部 部長 阿南祐二
<概要>
 ジオファイバー工法とは、環境に優しい法面安定工で、連続繊維補強土工・地山補強土工・植生工の3工法を組み合わせた『連続繊維複合補強土工法』である。特徴として、砂質土と連続繊維(ポリエステル)をジェット水とともに噴射・混合させて、法面に厚い土構造物を構築し、植生工により樹林化など質の高い植物環境を形成させるものである。技術研修会では、ジオファイバー工法の設計手法・工法概要を説明するとともに、施工事例なども紹介した。

2.「ガラス廃材を再資源化した“多目的環境材料ミラクルソルの活用技術”」
講師:ミラクルソル協会理事長及び佐賀県ジオファイバー協会会長 原 裕
<概要>
 ミラクルソルは、ガラス廃材を再資源化した多目的環境材料で、開発の背景と目的及び製造方法や材料の特性を説明した。また、ミラクルソルを用いた工法として、環境緑化工法(ミラクルボール緑化工法、FWG・屋上緑化工法、サークルボード緑化工法、FWG・ウッドチップ工法、MBSS(ミラクルボードソイルストップ)工法)に関する設計・施工方法と他工法との経済性や優位性についての解説を行った。

【見学内容】
 現場見学会を実施した施工現場は、砂岩で形成された切土のり面で、「FWG・ウッドチップ工法」と「MBSS工法」を用いての斜面緑化工法は全国で初めてであり、興味ある工法の施工現場である。FWG・ウッドチップ工法は、伐採樹木をチップ化したものと吸水性ミラクルソルを混合し、厚層基盤材として斜面に吹付ける工法であり、MBSS工法は、板状のセメントボードに吸水性ミラクルソルを埋設した「ミラクルボード」を斜面に千鳥状(1枚/m2)に設置することで、厚層基盤材の滑落を防ぎ、岩盤斜面に保水性を保ち、植物に水分供給を与える工法である。現場見学会では、FWGウッドチップソイル(ミラクルボール10%混合)を混合しているFWGウッドチップソイル吹付けの混合プラント、ミラクルボードを設置した斜面とFWGウッドチップソイル吹付けの作業状況を見学した。
 今回、多数の参加を頂き、新技術・新工法と環境に対する関心が窺えた。

日本建設技術梶@企画開発戦略本部技術研究所 内布竜矢  記

キーワード: 土木工事,環境,ガラス廃材,再資源化,発泡廃ガラス(FWG),斜面緑化,岩盤緑化,緑化基盤工,特許工法,ミラクルボール緑化工法(NETIS登録番号QS-980201),MBSS工法(NETIS登録番号QS-980202),伐採樹木の有効利用,環境負荷低減工法,CPDS講習会

九建日報(2011.8.12)
佐賀建設新聞(2011.8.18)
C-net通信さが(2011.8.24)

原 理事長による挨拶 日特建設葛繽B支店 技術部 阿南祐二部長による
ジオファイバー工法の説明
原 理事長による
ミラクルソル工法の説明
会場の様子
現場見学会の様子 FWG・ウッドチップ工法およびMBSS工法の説明
現場見学会の様子 厚層基盤材(ウッドチップソイル)吹付け
施工現場(J斜面)のパノラマ写真